IdeaLiving

今日を愉しく

「どうしたら人生たのしくなりますかね」

酒席とかで後輩なんかからこうした “軽そうで重い” 質問をされることがちょこちょこある。

1年や2年早く生まれたくらいの立場で大したアドバイスもないのだけど、「とりあえず今日一日を愉しく過ごしてみたら」と返すことにしている。

たとえば来週の土曜日の楽しみにとっておいてあるようなことも、可能であれば「今日」やってしまってもいいと思っている。

来週のお楽しみを今日やると今日が楽しくなるし、来週のその日は別の楽しそうなことに充てられる。

僕は約束事とかも好きじゃないし、大好きなミートソースの粉チーズが無かったときみたいに、楽しみを悪天候やら何やらで取り上げられたりすることにも耐えられそうにない。

今日一日が楽しければ明日もまたそれなりに楽しい一日が来ると僕は思っている。

ベッドに入って「あー楽しかった」と思いながらグッスリ寝た翌日の朝に、不幸な顔なんて僕はできない。

Lectio

平城

-奈良の都を平城とも書くのを見て、ナラは当時の輸入の漢語であるように論ぜられた学者もあったがそれは誤りであろうと思う。

山腹の傾斜の比較的ゆるやかなる地、東国にては何の平(たいら)といい、九州南部ではハエと呼ぶ地形を、中国・四国ではすべて”ナル”といっている-

柳田国男 『地名考説』

たとえばその土地に棲みついた記憶みたいなものがあったとして、この百年ほどの短い間に人口が増え(あるいは減り)、古い地名は変わり、多くのビルが建って景観や地形そのものが変わってしまったことで、そういったものの多くは失われたしまったのだろうか。