-ある時サローンにはいったら派手な衣装を着た若い女が向うむきになって、洋琴 (ピアノ) を弾いていた。
そのそばに背の高い立派な男が立って、唱歌を唄っている。その口が大変大きく見えた。
けれども二人は二人以外のことにはまるで頓着していない様子であった。
船に乗っていることさえ忘れているようであった-
夏目漱石 / 夢十夜 『第七夜』
-ある時サローンにはいったら派手な衣装を着た若い女が向うむきになって、洋琴 (ピアノ) を弾いていた。
そのそばに背の高い立派な男が立って、唱歌を唄っている。その口が大変大きく見えた。
けれども二人は二人以外のことにはまるで頓着していない様子であった。
船に乗っていることさえ忘れているようであった-
夏目漱石 / 夢十夜 『第七夜』