GastronomieStyle

午睡の効用

子どもの頃はなぜだかいつも眠くて、お昼ごはんの後はもちろん、プールの後、おやつの後、旅行中の車や電車、果ては友だちの家でまで長いこと眠りこけてしまうことがあったなと思い出す。

withコロナの時代になって家時間が増え、身体も昔を思い出すのか、昼の12時をまわると巨大な睡魔に襲われるようになった。

そんな時は無理に抗うことはせずに5分でも10分でも目を瞑って横になることにしていて、そうするとやがて温かなプールに浮かんでいるような心持ちになる。

若い頃はこんな時間は無駄だと昼寝はやめ、夜の睡眠時間もなるべく保とうとしていたけれど、十分な睡眠は自分の内面のザラザラしたものを綺麗に取り去ってくれるような感じがする。

満ち足りた気分で世界を眺めると、身の回りのアレコレはそれほど悪くないなと思えてくる。

昼寝の前にカフェインを摂るといいんだよ、と何かで聞いたことがあるが個人的にはその順番は逆が良い。

この短い眠りのあとに、自分で淹れた珈琲をたっぷりと楽しむ時間だってあるのだと想像してみる (実際にはそれ程のんびりもできないとしても) 。

それだけでワクワクとした気分で次の世界を歩んでいける。

GastronomieStyle

Chocolat chaud

冬になると無性に食べたくなるものが2つあって、ひとつはビーフシチューで、もうひとつはチョコレート。

チョコレートはもちろん固形のものも好きなのだけれど、自分にとってのスペシャルはなんと言ってもホットチョコレート。

風の冷たい2月には温かい飲みものが恋しくなるもの。

珍しく自転車で遠出をしてみたら、通りには今まで気が付かなかった看板と「ショコラショー」の文字。

たまらず自転車を降りて早速オーダーしてみると本日はブラジル産のカカオ、とのこと。

日替わりで産地が違う?

甘い香りのするホットチョコレートを受け取り、ゴクリと一口。

喉元を過ぎる濃厚なチョコレートがゆっくりと心身を暖めてくれる。

ガラスケース越しに見た6個入り程の小さなアソートのひとつでも買っておけば家でも楽しめたのに、とお店を去った今になって後悔している。

IdeaStyle

木工玩具の手触り

小さい頃、公園で大きめの枝を拾い集めては自分の基地に積み上げていた。

ザラザラトゲトゲした枝もあればやけにツルリとした肌の枝もあって、それぞれに武器として名前を付けるだけの特徴を持っていて、飽きずに何日も没頭したのを覚えている。

現代の洗練された木工玩具とは比較にならないようなコレクションではあったけれど、当時の自分にとってはその全てが宝物で、

それから何十年経った今でも、木の温もりを感じながら時々懐かしく思い出したりしている。

IdeaStyle

レトロカメラ

カメラが欲しい、という息子と電器屋さんへ。

チェキでも買ってあげようかと思ってフラリと寄ってみたはいいけれど、

あれこれ手に取ってみるうちにこちらも欲しくなってきたりして。

LivingStyle

帽子のある生活

いつの頃からか、自分は帽子が似合わない人間なんだと思いながら生活するようになったので

防災的な意味合いのものを除いて、自発的に帽子というものをかぶってみたことがない。

僕以外の家族は割に帽子が似合うタイプで、

日差しが強い暑い日や耳が凍りつくような寒い日には、その日にかぶる帽子を楽しそうに選んでいる。

暖かそうな色付きの帽子をかぶせてもらったお地蔵さんを見かける度になんとなく羨ましいような気になってしまったりして。

GastronomieStyle

モンブラン

モンブラン級の大物は甘党とは言えない僕には少し荷が重かったりするけれど

ほんのり苦味の感じられる珈琲に合わせて、となると話は違ってくる。

コロナ禍ですっかり習慣化された自宅でのコーヒーブレイクもそれなりに良いのだけれど

やっぱりお店に入り、コポコポカチャカチャという音が聞こえてくる自分の席で

珈琲を待っているこの時間こそ “至福の時間” なんだよなとあらためて思う。

GastronomieStyle

カスティーリャ (言いたいだけ)

最近のコンビニスイーツだって味はなかなかのものだけれど

やっぱりもらって嬉しいのは老舗のカステラとかになるのかもしれない。

頂きものを手提げ袋ごと妻に渡し、

珈琲にしようか、紅茶にしようかとアレコレ考えるだけで愉しい。

GastronomieStyle

コーヒーブレイク

僕たちは、眠っている時間以外は何かしらの目的を持って行動している。

「何もしていない時間」というのがどこかにないかな、と考えてみると僕にとってのそれは珈琲を飲んでいるときかもしれないと思った。

( 煙草を吸う人はタバコを咥えている時間がそれにあたるかもしれない )

砂糖もミルクもいらないし、淹れてもらったコーヒーを、小さい子どものように、ただボーッとして飲むだけ。

椅子に座って久方ぶりにのんびりとした時間を過ごすと、ごちそうさまと言って静かに店を出る。

GastronomieStyle

ロールケーキ

基本的にイチゴのショートケーキを超えるスイーツというのは存在しないと思っているけれど

“ロールケーキ” というやつも割と好きだ。

フルーツを入れるのか入れないのか、とか

生クリームとスポンジの比率はどうするとか

シンプルなデザインゆえに、けっこう奥が深い。

夜更けに食べたくなるのはクリームたっぷりのやつだけど、3時のおやつの時には割にシンプルなやつでいいな、とか

今まで真剣に考えたことはなかったけれど、お酒の席であればロールケーキだけで1時間くらいは語れるかもしれない。

IdeaStyle

つるり

いつの頃からか陶器とか磁器とかのツルンとした感じに惹かれるようになった。

眺めていると、その滑らかな表面に触れてみたいという衝動に駆られる。

そうした欲求の全てが叶えられるものではないということは勿論わかっているけれど、そういう欲が身体のどこからか湧いてくるということ自体、何となく嬉しいような気もしてくる。