
ふと思い立って、朝いちばんの電車に飛び乗って成田山新勝寺にお参りに行く。
初めて訪れる門前町は、こんな時代でも多くの人を惹きつけるらしい。
自分もこの一年の感謝と来年への願いを込めて手を合わせる。
なんとなく清らかな気持ちで参道を歩いていると、だんだんお腹が空いてくる。
「天然ものの鰻は冬眠の前に栄養を溜め込むから本当は秋冬がおいしいんだよ」みたいな話をどこかで聞いたことを思い出して、なるほどそうかと頷いてみる。
養殖が主流になった現代でも同じことが言えるのか良くわからないけれど、言われてみれば秋冬に食べる鰻もまたふっくらとしていておいしい(ような気がする)。
冬眠はしないまでも、年末年始にぬくぬくゴロゴロしようと考えている自分がおいしいものを食べて栄養を溜め込んでいる。
人間も、鰻も、たぶん他の生きものも、この時期は大体似たようなものなんじゃないかな。