Lectio

愛を、なにか目にみえる対象に仮託するには

-この時代、人びとは、神信心の深い感動を、じかにイメージに、いろどりあざやかに、燃えたつようなイメージに写したいと望んでいた。

その目で、はっきりと奇蹟をみて、はじめて、人びとは、それが奇蹟だと納得したのである。

目にみえる”しるし”をよりどころとして、言葉にはいいあらわせぬ存在に、祈りをささげようとしたのである。

その願いが、つねに新たな形象を作りだした-

ホイジンガ 『中世の秋』