「諸君。残りのお金で、本を買いなさい」
経済史の講義の終わりに、教授は答えた。
学生の1人が、過去の歴史を踏まえて先生なら何に投資されますかと尋ねた。
「私であれば世界経済そのもの(インデックスファンド)に幾らか投資する。あとは書物だ。別に経済学の本でなくても構わない。一冊の本を書くために、その世界の専門家が、我々がそれを読み切るための時間の50倍の時間と労力を費やしてできたものだ、という認識をあらためて持ちなさい」
「そしてこれは君たち次第でもあるが、書店に支払う対価の何倍もの価値をもたらしてくれるだろう。今日の講義は以上だ」
僕はその足で書店へ向かい、気になっていた書籍を両手に抱えて帰ったのを今でも覚えている。
大学時代から、ことある毎にこの教えを思い出してきた。
2倍、3倍の価値を感じる書籍はざらにあるし、時には人生観を変えるくらいの出会いもある。
失敗したとしても文庫なら数百円、単行本でも数千円。読むことに費やす時間もタイミングも、自分で決めることができる。
これ程リスクあたりのリターンに優れた投資先は他にない。
学生の頃、ゼミの先生が「下宿している息子に毎月15万円仕送りしている。そのうち、毎月10万円、本を買いなさい、本を買わなかったら翌月から仕送りはなし、と言っている」と聞いて、驚いた記憶があります。しかし、やはり本に投資する必要があるということなんですね(*^^)v
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10万円とはすごいですね。
でも時々、いいなと思って手に取った書籍が高価なものだったりすると、そういうものを気にせず好きなだけ買って読めたらなと思うことはありますね。
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