ほぼ日の日替わりエッセイで、糸井重里さんが小さい頃に父親に本気で怒られたときの記憶について書いていた。
それを読みながらふと思い出したのは、高校の部活でのこと。
あれはたしか、夏休みを利用した対外遠征のときだったと思う。
全国的にも強豪として知られている高校相手に上々の試合展開で、リードして前半を終えてベンチへ帰ってみると、監督は泣いていた。
初めて見る監督の涙だった。
こんなことのためにお前たちを指導してきたんじゃない。
監督は何度もそう言いながら僕たちのためにグラウンドで涙を流していた。
誰も言葉を発することができずにいた。
夏に特有のサワサワとした音だけが今でも耳に残っている。
自分は教師ではないけれど、家族や友人や社会に対してそういう熱量をもって接することができるだろうか。